REPORT

宝飾品業界とデジタル化

宝飾品業界B2Bオンラインプラットフォーム 「PERIDOT(ペリド)」【スライドNo.38~48】

次に、私たちが考えるジュエリービジネスデジタル化フェーズ2~3に関する提案である、宝飾品業界B2BオンラインプラットフォームPERIDOTについて、創業者であるロニ・ジョーよりご挨拶、ご説明させていただきます。

ペリドのRONIと申します。

まず、自己紹介をさせていただきます。

私は香港で生まれ、カナダ国籍で、イギリスで育ちました。イギリスの大学院を卒業した後、6年前に、日本で就職をしました。日本で就職したのは、母方の祖母が日本人だからということと、食べ物が美味しいという理由からです。

最初に就職したのは日本で最大のネットショッピングモールを運営している会社です。その会社で、私はショッピングモールの基本的な構造や仕組みを学ぶとともに、商品やお金やユーザーの動きなどを分析したり、新事業の企画をしたりという業務を担当しました。

ただ、幼い頃から自分で会社を立ち上げて経営をしたいという夢があったので、スタートアップ企業をアーリーステージから成長フェーズに導くプロセスを学ぶため、キャッシュレス決済のスタートアップ企業に転職をしました。

その会社ではおもに資金調達と国際事業を担当しました。この業務を担当するために事業計画を立案したり、資金計画をつくったり、人員計画などにもたずさわりました。

転職した頃、私の友達で結婚する人が増えてきて、私に相談してくるようになってきました。なぜなら、私の父がダイヤモンドなど、宝石の卸売り業を営んでいるからです。

父は香港に住んでいます。私は日本で仕事をしています。私の友達はイギリスなど、ヨーロッパのいろんな国に住んでいます。香港と日本とヨーロッパ、情報を調べたり知らせたり、友達の希望にマッチングさせることはたいへん難しかったのです。

もし父の在庫がネット上でカタログ化されていれば、すぐに自分が見たり友達に知らせたりできるのにと思っていました。もし、それが実現できれば、友達以外のクライアントにも簡単に商品情報を共有できるのにと考えました。さらには、一般の消費者だけではなく、業者同士の取引もネット上で実現できるのではないかと考えたのです。

そこで、 私はe-BAYやアマゾンや楽天などに出品をしてクライアントのニーズにこたえる事ができないかを試してみました。しかしそれらは、業者間の取引には向いていませんし、ジュエリービジネスにスペシャライズされた構造にもなっていませんでした。一般消費者にはある程度売れるかもしれませんが、さまざまなジャンルの商品が掲載されているため、ジュエリーの検索は難しく、ましてや業者間同士の取引にはまったく向いていないという事がわかり、それらのマーケットプレイスを利用する事をあきらめました。

では、ダイヤの在庫情報と友達のニーズ、あるいは業者間同士のニーズをマッチングさせるには、どうしたらいいだろうと私は考え始めたのです。それが、ペリドを立ち上げる最初のきっかけでした。そのきっかけ以来、私はずっとジュエラー向けB2Bオンラインプラットフォームの仕組みについて考えてきました。

そして、ジュエラー向けB2Bオンラインプラットフォームの仕組みについてアイディアが固まってきたのと、スタートアップの会社で経営者になるための経験を積むことができたと思えたタイミングで、その会社を退職し昨年6月、株式会社ペリドを設立しました。この半年間、私はジュエラーが使いやすいマーケットプレイスの開発にとりくんできました。開発は今半分ほど終わったところです。

今までにはなかったジュエラーズファーストのマーケットプレイスにするために精一杯努力を続けています。ペリドを設立する少し前から、以前から知り合いだった株式会社セルビーの松谷さんや木代さんにジュエラーのためのオンラインプラットフォームやジュエリー情報のデジタル化について意見交換をするようになりました。その後、ペリドの設立時に、2人にボードメンバーに入ってもらう事をお願いして、今に至っています。

それで、私たちが決めたのは、次のような特徴を持つマーケットプレイスをつくることでした。

ペリドのメリットと特徴は

①ジュエラーズファーストのマーケットプレイスであることです。情報の登録時から、世界のどこかのジュエラーが検索することを考慮した、仕組みになっていることです。ジュエリー業界で使われる言葉や単位だけを使い、ジュエラーが探しやすい検索の仕組みにしました。

②顧客との接点を簡単に、かつ数多く持つことができます。これまで2Bビジネスではそれほど活用されていませんが、顧客との接点をつくる上で、キャンペーンやクーポンを特定の顧客に発行することは、私の経験上、たいへん重要な戦略です。ぺリドでは、スマホからでも個別の顧客にこうした情報を簡単に届けることができます。

③宝飾品業界の取引慣習やルールに考慮した仕組みとなっています。消費者に見られないように商品の価格を隠したり、特別な顧客にだけしか見せないように商品自体を隠したり、顧客によって価格を変えたり、委託したりできるように設計しています。

ここからは、松谷がPERIDOTの機能について少しお話しします。

先ほど、宝飾品業界のデジタル化には3つのフェーズがあると申し上げました。仕入先や顧客との接点づくりが、いかに大切かは先ほどお話した通りです。個の企業ではどうしようもない問題にいずれ必ず突き当ります。そのソリューションがPERIDOTなのです。

「数多くの企業が展開する商品やサービスを、誰もが利用できるように整理された一つのプラットフォーム」を実現することが私たちのミッションです。データドリブンという経営手法が脚光を浴びているのをご存知でしょうか?ダッシュボードに組み込んだ経営分析機能により、商品や顧客の動きについて分析し、ビジュアルでわかりやすく表示することで、戦略上の意思決定をサポートします。ロニCEOが集めたペリドの開発チームには、オックスフォード大学でAIの博士号を取得したメンバーも入っています。

AIの実装も視野に入れて開発しているため、ビッグデータを活用した最適な意思決定が可能になります。PERIDOTには、マーケティング機能も準備されています。顧客分析を行ない、それぞれの客層に最適な販促手段を選び、キャンペーンやクーポンの発行を行なうことができます。販促終了後、それらの結果を、集計・分析し、次回のキャンペーンにいかすことができます。順調に開発が進めば、ペリドは20205月のIJKでお披露目できる予定です。ぜひご期待ください。

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