REPORT

宝飾品業界とデジタル化

宝飾品業界とデジタル化1…事業への 活用例…メーカー【スライドNo.31】

ここからが第3章、宝飾品業界の話に戻ります。

これからお話するのは、今はまだ実現してはいないものの今後実現してはどうかという提案と、弊社が実現したいと考えているアイディアについてです。

2005年頃、Web2.0という言葉が流行しました。その中で、アマゾンのビジネスモデルを説明するのに使われていたのがロングテール理論です。この理論を宝飾品メーカーさんに応用するとどうなるでしょう?

メーカーさんは毎年毎シーズン新作を発表していらっしゃいます。製品化されるのは、新作あるいは準新作、もしくは売れ筋の定番アイテムが中心になると思います。過去の型をすべて製品化して、在庫として抱えるのは現実的ではありませんが、デジタルデータであれば何十年前のものであっても保存できます。顧客が閲覧できるようにさえしておけば、数は少ないでしょうが、売れるチャンスはあります。

グラフは、上下の軸が収益高の多い少ないを示し、左右の軸は時間軸を示します。上に行けば行くほど収益が高く、左が新作で、右に向かうほど昔につくられたデザインです。発表会や展示会などで現物在庫を利用して販売するのか新作、デジタルデータを利用して受注を受け付けてつくるのが過去の製品です。

濃いめのブラウンで示した部分が新作による収益、黄土色部分が過去の型が生み出す収益になります。色のついた部分の面積が収益高ですから、昔のデザインが生み出す収益も積み重ねると大きなものになります。現物在庫を増やすことなく、一度おこしたデザインやつくった型が、未来永劫、価値を生み出し続ける可能性があるのです。

宝飾品業界とデジタル化2…事業への 活用例…画像処理【スライドNo.32~35】

次は画像処理についてです。

宝飾品業界がデジタル化に二の足を踏んでいる要因は、どうやってデジタル化してよいのかわからない、あるいは画像処理が面倒、時間がない、担当する人がいないという理由からです。画像処理が必要な理由は、

ホワイトバランス(背景の白い部分が、グリーンがかったグレーになってしまう)の調整

特に色石の場合、実際の色合いと違う場合があり、実際の色合いに近づけるため

静電気のために表面に付着した埃が、インクルージョンと区別がつかなくなるため、埃のみとる

等という理由からです。

弊社では、1商品当たり56枚の画像を撮影し画像処理が終わるまで、25分前後かかっています。今弊社では、AIを利用して、高度な技術を習得することなく、数十秒ほどでネットショッピングに利用できるレベルの画像に自動変換される技術を開発中です。

今年中にアプリ化して、皆さまにご利用いただける形にしたいと考えています。そうすれば、だれもが製品の画像をデジタル化できるようになり、デジタルへのハードルは著しく下がるからです。

360°画像【スライドNo.36】

マウス操作によって商品を360度あらゆる角度から見ることができる画像も作成しています。

静止画像を50枚ほど組み合わせてつくるため、データ容量が大きくなりすぎてしまうという欠点と、組み込むことができるモールが限られている、という欠点があります。

弊社では通常のオペレーションに組み入れてはいませんが、ご要望によってはこうした画像を作成し、ご提供することも可能です。

宝飾品業界とデジタル化3…事業への活用 例…3Dモデリング+AR【スライドNo.37】

次は、3DモデリングとAR技術を組み合わせた、疑似装着体験技術です。

宝飾品が体験型商材であるということの壁を壊すために開発している技術です。

スマートフォン等を操作して好きな指輪を選び、自分の手にかざすと、その指輪をほんとうに自分が装着しているように見えるという技術です。実用化されれば、例えばイタリアの工房にある指輪を、日本の小売店に来た消費者が自分の指に疑似的に装着してみる、ということが可能になります。

これも重要なデジタル技術のひとつです。

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