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with 新型コロナのジュエリービジネス

jewelristレポート with 新型コロナのジュエリービジネス

日本のジュエリービジネスの現状

はじめに、新型コロナウイルスの感染症により亡くなられた世界の全ての犠牲者を追悼し、心からご冥福をお祈り申し上げます。また、ご闘病中の皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早いご回復を願ってやみません。

とともに、昼夜を分かたず、命を守る最前線で奮闘くださる医療関係の方々をはじめ、あらゆる分野で尊き使命を遂行されている皆様に満腔の感謝を捧げ、全世界の皆様のご健康とご無事を心から祈ります。新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいた「緊急事態宣言」が、47日に東京など7都府県を対象に発令され、416日に対象エリアが全国の都道府県に拡大された。これを受けてジュエリー、リ・ジュエリー関連企業の各種イベント・催事の中止・延期や、休業・時短営業が相次いだ。従業員や顧客の健康と安全の最優先が求められる一方、業績の急激な悪化は経営に大きな打撃を与え、各企業は厳しい局面に立たされ、難しい舵取りと判断に迫られている。

また世界的な感染拡大により、各国でロックダウン(都市封鎖)や入国制限が行われ、各国でのジュエリーフェアの中止・延期が相次ぎ、加えて、日本郵便が313日に中国向けのEMSを停止、42日からは世界153ヶ国・地域向けの引き受けを停止すると発表(現在は一部緩和されている)。ビジネスの生命線である『モノと人』の異動が断たれ、頼みの綱と言われる海外向け卸売りなどの海外販路も閉ざされ、国内のジュエリー、リ・ジュエリー関連企業はさらに大きな苦境に追い込まれている。

一般社団法人 日本ジュエリー協会(JJA)が、新型コロナウイルス感染症の拡大による3月単月の企業活動への影響について、会員に対し4月初旬に緊急調査を行った。詳細を以下に紹介するが、調査結果は想像以上に厳しい現状を示している。さらに4月、5月の月例経済報告は急激に悪化する景気判断を示し、まさに日本のジュエリービジネスは剣ヶ峰の正念場を迎えている。

ジュエリービジネス―REOPEN 後の復活へのシナリオ

この様な現状の中で、我々の最大の関心事は、いつジュエリービジネスの REOPEN ができるのか、そして、REOPEN 後のジュエリービジネス復活へのシナリオの模索である。

ビジネス―REOPEN の時期であるが、この見極めは非常に難しい。まず、国内に発出されていた「緊急事態宣言」は解除されたが、例え日本国内でのビジネスの REOPEN が可能となっても、世界各地の感染状況とタイムラグのバラツキなどにより、『人とモノ』の移動がどれだけスムーズに可能となるかが、日本のジュエリービジネスにとっての本格的なビジネス再開への最大の課題になると考える。あって欲しくはないが、仮に第二波での感染拡大が起これば、忽ち全てのビジネスは再び機能不全に陥ってしまう。そういう点から考えると、ワクチンと特効薬の開発がなされ、世界の人たちが安心して新型コロナウイルスに立ち向かえる時が来るまでは、正常な経済活動の開始は難しいとの見方もできる。

その中で、中国はいち早く経済活動を開始し始めている。台湾は世界のコロナ禍の中でも経済活動を続けてきている。香港も新型コロナは落ち着きを取り戻している。そして、日本もうまくコントロールが効き、ジュエリービジネスのREOPEN が可能となれば、次は、ジュエリービジネス復活へのシナリオである。

 

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