REPORT

with 新型コロナのジュエリービジネス

jewelristレポート with 新型コロナのジュエリービジネス

パートナーとすべきオンライン・デジ タル化企業の要件

この様に述べてくると、オンライン・デジタル化の推進のためのスッタフの確保と、社内での内製化をと考えられる経営者もおられるかと思うが、それは大きなリスクを抱えることになり、効率的にも決してお薦めできない。

経営トップが、オンライン・デジタル化を重要経営課題として位置付け、全社戦略として取り組む姿勢を示し、具体的な作業は信頼できる企業にアウトソーシングすれば良いのである。

では、これらのジュエリービジネスのオンライン・デジタル化を、任せるべきパートナー企業の要件について述べてみたい。

第一に、ジュエリービジネスへの理解度と経験値が高い企業であること。これは、先にも述べたようにジュエリービジネスの伝統に基づく独特で複雑な商慣習や、取り扱われる商材の専門性などの特性を理解していることが最も肝要なのである。

往々にしてオンライン・デジタル化というと、ITコンサルタントやIT関連企業に依頼されることも多いが、必ずしも満足な結果となっていないケースをよく耳にする。それは、ジュエリービジネスという、言葉では表現できない、ビジネスの肌感覚を持ったパートナー企業であるかどうかとも言える。その意味からジュエリービジネス特化型のオンライン・デジタル化ビジネスを展開する企業の選択を薦めたい。

第二は、技術力のクオリティと専門性の高さである。ひとくちでジュエリービジネスのオンライン・デジタル化とは言っても、各企業により要望は様々に求められるが、その要望に如何に的確に応えられるか。

その技術力と専門性の高さこそが重要であることは言うまでもないが、ジュエリービジネスのオンライン・デジタル化の中で、筆者が最も重視する技術力のポイントは、画像処理技術のクオリティの高さと、画像処理のスピードと考える。ジュエリーという商材の発信力の差は、画像処理によって決まると考えるからである。

第三は、適正で納得のコストである。筆者の経験から見て、一と二のふたつの要件を満たす企業は、決して法外なコストを求めることは無い。自社の要望とコストを併せて、アドバイス・サポートしてくれる企業こそパートナーとすべき企業なのである。

まとめ… 注目すべきオンライン・デジタル化ビジネス&サポート企業

これまで、ジュエリービジネスのオンライン・デジタル化の必要性を長々と述べてきた。剣が峰に立つ日本のジュエリービジネスにあって、誰かが一石を投じ自社の利益だけではなく、業界全体の利益を考えた取り組みが必要な時を迎えていると言える。

その視点から、最後に筆者は日本のジュエリービジネスのオンライン・デジタル化の要と成りうる企業が展開するビジネスの概要を紹介したい。それは、これまでにも紹介した Roni Xu(ロニジョー)女史である。

オックスフォード大学大学院修士課程を卒業、 2014年株式会社楽天に入社、企画部にて予算管理・国内&越境EC業務を担当、2016年株式会社 ORIGAMI 入社、資金調達・事業開発を担当、2019年株式会社 セルビーのデジタル担当役員に就任、同時に国際版宝飾品B to Bオンラインプラットフォーム事業開発のため、株式会社 ペリドを設立し代表取締役CEOに就任した。

その才媛の彼女が主宰する国際版宝飾品専門 Bto B モール『ぺリド(PERIDOT)』に、筆者は大きく注目と期待をしている。

簡単にコンセプトを紹介すると、日本国内をはじめ世界のジュエリービジネスに従事するすべての事業者が、簡単、安全、スピーディに、モールに提供されているすべての情報、商品、ノウハウを、利用、売買、交換できるジュエリー業界唯一の「国際版オンラインプラットフォーム」を提供する事業である。

「ぺリド(PERIDOT)」についての詳細な事業概要については、後項(P.47 ~)にて紹介しているので是非ともご一読頂きたい。

どんなにビジネスが強く大きくなっても、1社だけですべてのコンテンツ・情報を提供することは不可能である。今こそ、ジュエリー業界に散逸する知恵やノウハウを集結し、ワンストップでだれもが簡単に利用できる事業環境を構築することで、自社と直接かかわりのなかった新たな「繋がり」を形成することで、日本のジュエリービジネスの再びの発展は可能となる。

今回の、コロナウイルス感染拡大は、間違いなく日本のジュエリービジネスを地殻変動的に変化させている。この危機の時こそ『日本のジュエリービジネス オンライン・デジタル化 元年』とするべきであり、今こそ、我々が心から愛して止まない日本のジュエリービジネスの為に、“競争”から“共創”のワンチームとして、この未曾有の難局を克服していきたいと願うものである。

頑張ろう!日本のジュエリービジネス!!

REPORT LIST

講読・広告のお申込みは

お申し込みはこちら

隔月刊(1・3・5・7・9・11月)
年間購読料:1年(6冊)46,200円(税込)

Jewelrist電子版

2022年9月より、
電子版(デジタル版)の取扱いを開始

ご希望の方はこちら